日本の代表的な栄養食品「納豆」。豊富な栄養はもちろんですが、納豆菌が腸ですごい働きをする驚くべき実験結果があるのをご存知ですか?それはなんと乳酸菌を10倍にするというもの!驚くべき納豆菌の働きをご紹介します。
納豆作りにかかせない納豆菌。
発酵の過程でナットウキナーゼなどの酵素を産生したり、ビタミンKを約1000倍にするなど有用な働きがあることで知られています。
しかし、その他にさらに大きな実験結果がありました。
それは納豆菌と乳酸菌を共生させると乳酸菌が10倍になったというものです。
実際の実験では、乳酸菌を単独培養したときに10倍程度しか増えなかったが、乳酸菌と納豆菌を混合培養したところ、100倍程度に増殖したという結果になったそうです。
つまり、納豆菌がある場合、ない場合に比べて10倍に増えたということになります。
これは納豆菌が産生する代謝物が乳酸菌の増殖を促進する効果があるためです。
納豆菌は悪玉菌を強く抑制する効果もあるので、さらに乳酸菌が増えると善玉菌がだんぜん有利になって、腸内細菌の鍵を握る日和見菌を味方にすることが期待できます。
納豆菌が乳酸菌を増やしてくれるということであれば、こちらの記事の最後でも紹介した「納豆にキムチを混ぜて食べる」というのがオススメです。
キムチには植物性乳酸菌がたっぷり含まれていますので、納豆と混ぜてしばらくすると乳酸菌を増やしてくれさらに体にいい食べ物になると言えます。
しかし、さらにいいことがあります。
それは納豆菌を生きたまま腸まで届けることです。
すると腸内に住み着いたマイ乳酸菌を増やしてくれるからです。
では乳酸菌についてもう少し説明したいと思います。
最近では腸まで届く乳酸菌なんかもありテレビCMなどで紹介されていますね。
通常、乳酸菌は胃酸に弱く、腸まで生きて届かないと言われています。
植物性の乳酸菌は動物性に比べて強いと言われますが、それでも胃酸を通過できるのは多くありません。
それでも生きて届いた乳酸菌は腸内を酸性に保ち悪玉菌を抑制するなどの優れた働きをしてくれます。なのですが、外から摂った乳酸菌は腸に定着しにくいと言われているのですぐに排泄されてしまうのです。
その一方で、腸内にはずっと住み着いている腸内細菌の集まり(腸内フローラ)があります。
腸の表面には粘膜があり、この粘膜の内側に住んでいる腸内細菌は体外に排出されにくいので、ずっと住み着くことができます。
つまり、腸内に住み着いた乳酸菌を増やすことができれば、外部から届けること以上にとても効果的といえるのです。
それには、腸に生きた納豆菌を届けることが大切になります。
それでは腸まで納豆菌を届けるにはどうすればいいでしょうか。
一般的に納豆菌は乳酸菌より胃酸に強いので、普通に納豆を食べればある程度腸まで届きます。その数は、納豆1パック(50g)で100万個程度と言われています。
100万個というと多く聞こえるのですが、納豆1パックあたり500億個(1gあたり10億個)の納豆菌がいると考えられていますので、大半は届いていないのですね。
では腸まで届く納豆菌は何か秘密があるのでしょうか?
実は腸まで届く納豆菌は形態を変えて、胃酸に強くなっているのです。
納豆菌はいくつか形態がありますが、通常の納豆にいる納豆菌は栄養型と言われる、発酵や繁殖する一般的な形態をしています。
一方、冷凍など過酷な状況になると芽胞型と言われる、休眠状態のような形に変わることが出来ます。この形態は繁殖ができない一方で熱や酸、アルカリもとても強くなるのです。
つまり、芽胞型の納豆菌を食べることが近道と言えます。
以前、とあるメーカーが芽胞の納豆菌を多く含む納豆を発売したのですが、通常の納豆よりも味が落ちたためか、全然売れずに姿を消したことがあるそうです。
いくら体にいいといってもおいしくなければ売れないのですね。
もっとも芽胞の納豆菌のよさがほとんど知られてなかったことが主因な気もしますが…
ではわざと納豆を冷凍させて食べるというのはどうでしょうか?
残念ながらこれについては実験結果がないのでなんとも言えません。
解凍すると戻ってしまうので冷凍したままの納豆を食べる・・・
もしかしたらおいしいのかもしれませんが、ちょっとハードルは高いですね
(責任はとれないので食べる場合は自己責任でお願いします)
また芽胞菌が多く入った納豆が市販されるかもしれませんが、今のところはサプリメントを利用するのいいかと思います。
まとめると
1.腸まで届く納豆菌を食べる
2.納豆菌が腸内の乳酸菌と共生して、乳酸菌の増殖を促進する
3.腸内の善玉菌の割合が増え、日和見菌を味方にする
4.腸内環境がよくなり、健康の維持・増進が期待できる
ちなみにマイ腸内細菌を増やすには、乳酸菌のえさとなるオリゴ糖や食物繊維などもおすすめです。ぜひお試しください。