うんちは食べ物を消化して残ったいわゆる「食べかす」がほとんどだと思っていませんか?もちろん食べかすもありますが、実は10%に満たない程度しかありません。では一体なんでしょうか?健康のバロメータと言われるうんちの正体について紹介したいと思います。
うんちの成分で最も多いのが水分。健康な方のうんちの実に約70~80%が水分と言われています。下痢の方はさらに多く80~90%にも達します。
直感的にはそんなに多いようには思えないという方、多いのではないでしょうか?
そこで水分量が多そうな食べ物の水分量と比べてみましょう。
きゅうりの水分量が95%、スイカや大根で90%、硬そうなイメージのバナナでさえ75%程度と言われています。
意外に水分を含んでいるものなのですね。
そう考えると通常のうんちで水分量が70%というのも頷ける気がします。
よくうんちはバナナ色がいいと言われますが、水分量もバナナが理想に近といえます。
では、うんちの水分を除いた残りは食べかすなのでしょうか?
実は、多くを占めるものは腸内細菌(生菌・死菌含む)や腸内粘膜が剥がれ落ちたもので、残りのおよそ70%を占めています。その残りが食べかすです。
つまり、食べかすは水分を除いた残りの中の30%程度しかありません。
うんち全体でいうと10%に満たないぐらいです。
1日に食べてる量と、うんちの量を比べると、うんちの方が大分少ないですよね。
食べかすは、うんちの10%とすると食べ物と食べかすの比重はさらに少なくなります。
そう考えると、食べたものの多くが消化・吸収されているといってよさそうです。
こうなると気になるのは吸収されない方。
この吸収されない少数派とは何でしょうか?
うんちに食べ物が固形で出てきたら腸の調子が悪いということでしょうか?
とうもろこしを例にとってみましょう。
ほとんどが吸収されるのにコーンなど固形のままお目見えする食べ物ありませんか?
じつはコーンの周りはあるセルロースという膜で覆われていて、それが消化できないためにそのまま出てきてしまいます。
よく噛んで食べればこの膜が破れて消化できますが、よく噛んでいないとそのまま出てきてしまうのですね。
人間の消化酵素では消化できないもの、それが食べかすの正体です。
消化できないので意味がないと思いがちですが、実は第6の栄養素とも言われる重要なものだったりします。
では一体その第6の栄養素とはなんでしょうか?
食べかすの正体、それは食物繊維です。
食物繊維とは、人間の消化酵素で消化できないもののことを言います。
食物繊維は消化できないため長い間不要なものと考えられていましたが、今では善玉菌のえさとなったり、死んだ腸内細菌や新陳代謝が活発な腸内から剥がれ落ちた細胞などの老廃物を
排出するなど、大切な働きがあるため第6の栄養素とも言われたりします。
食物繊維は水に溶けてゲル状にする水溶性と、水に溶けないけど水を含むことで体積が大きくなる不溶性の2種類があり、うんちの10%にも満たないながらも中心的な働きをしていると言っていい存在となっています。
これまでで、うんちは水分・腸内細菌・腸内の老廃物・食べかすでできていると紹介してきました。これは興味本位で知っておくといいウンチクです。
もっと知っておくといいのはそのうんちの状態と頻度と量です。
いいうんちの状態は、黄色く半ねり状で臭いもきつくないうんちです。
頻度は1日に1回以上が理想的ですが、3日に1回でもいい状態のうんちがするっと出ている状態であればさほど気にしなくてもいいと思います。
量も150g~200gと言われていますがこればっかりは量れないので(^_^;)、出た感があればいいと思います。
うんちは健康のバロメータとよく言われます。
さらに最近では、うんちから腸内細菌の状態を測定する検査なんかも登場しています。
腸内細菌は今注目の医療分野の一つで、腸微生物移植といってうんち(の中にいる腸内細菌)を他人の腸内に移植する医療などもあります。(こちらの記事もどうぞ)
今後、うんちが果たす役割はもっともっと大きくなる可能性が高いです。
自分の健康を映しだす愛しい自分のうんち。
便器が和式から洋式になり、自分のうんちを見る機会も少なくなっていますが、たまには流す前にうんちを見て、健康状態を確認してみましょう。
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