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「油は敵」は本当!?実は足りない「良質な油」

食の欧米化などで油の摂取量も肥満も増加している日本人。太るイメージが強くて敬遠されがちな油ですが、実は日本人が一番不足している栄養素は「油(脂質・脂肪酸)」ということはご存知でしょうか?今回は油についてご紹介したいと思います。

脂質が三大栄養素の一つとされる意味を知っていますか?

炭水化物・脂質・たんぱく質が三大栄養素と言われているのはみなさんご存知ですよね?

三大栄養素とは、人間に必要な栄養素の中でも特に重要な成分です。

 

大まかに「炭水化物」は活動する「エネルギー」、「たんぱく質」は「体を作る素」というイメージはよく知られていますが、「脂質」はどのような働きをするか知っていますか?

 

周りでもそういわれると・・・っていう方、意外に多かったです。

 

「脂質」は「エネルギー&体機能のサポート」です。他の2つよりわかりにくいですね(^-^;

 

体機能のサポートの例としては、細胞膜を作ったり、ホルモンの原料となります。その他として、脳神経細胞のもと(※)にもなります。

(※脳神経細胞の構成要素はたんぱく質より脂質の方が多いです。) 

 

他方のエネルギー(≒カロリー)についてですが、脂質は炭水化物よりグラム当たりのカロリーが高いのが特徴です。ちなみに少量ですがたんぱく質もエネルギーになります。

 

では次にそんな脂質の摂取状況についてみてみましょう。

  

日本人は脂質が足りないとはどういうこと?

 日本人は、食の欧米化により脂質の摂取量が増え、肥満が増加するなど悪者にされることがよくあります。

 

厚労省のデータによると1940年代に1日15g程度だった脂質は1970年代に50gを超え、今に至るまで50~60gの間で横ばいになっています。

 

1日に50gの油を想像すると多い気もしますが、意外にもそうではありません。

この量は一日の摂取カロリーのうち20~30%であり、厚労省が推奨する値に近く、世界的には理想的な摂取量と言われています。

 

ただ気を付けないといけないのは「①脂質の内容」と「②平均値」であるということです。

 

「②平均値」というのは日本人全体で見た時のデータであって、個々にみると約3人に1人が脂質が多いと言われていますので、メタボな人は気にしないといけません。(←私です…)

 

より気にしなければならないのが「①脂質の内容」です。

摂取量は理想的であることはもちろんいいことなのですが、摂った方がいい、もっというと摂るべき必要な「脂質」が足りず、摂らない方がいい脂質は多いのです。

 

そこで脂質にはどんな種類があり、どれが不足しているのか見てみましょう。

 

脂質にはどんな種類があって、どんな特徴がある?

脂質の分類は化学構造で分けられます。

 

最初の分類は「①飽和脂肪酸」と「②不飽和脂肪酸」です。

 

これは炭素の二重結合有無による分類なのですが、二重結合がない飽和脂肪酸は安定(炭素に水素がすべてくっついて安定している)した構造で固形になりやすい性質で、二重結合がある不飽和脂肪酸は不安定(炭素に対して水素が少なく、やむなく炭素同士で結合していて安定しない)で常温では液体であるという性質です。

 

ちょっと難しくてわかりにくいかもですね(;^_^A

 

前者は動物からとれる脂質に多く含まれ、後者は植物に多く含まれます。

 

Ⅰ.飽和脂肪酸のオススメは中鎖脂肪酸を含む「ココナッツオイル」

前者の「①飽和脂肪酸」は炭素のつながる個数により3つに大別され短い方から「①-1短鎖脂肪酸」「①-2中鎖脂肪酸」「①-3長鎖脂肪酸」に分けられます。

 

我々が口にする飽和脂肪酸は肉や牛乳など動物性の食物に含まれていますが、これらの大半は長鎖脂肪酸に分類されます。これは体内で脂肪として蓄積されやすいため、摂取量に気を付けたほうがいいです。

 

一方で中鎖脂肪酸は消化吸収が早く(蓄えられにくい)、燃焼しやすいため太りにくいという特徴があります。それどころか、自分が燃焼する際に周りも巻き込むので脂肪を減らすと言われています。

 

そんな中鎖脂肪酸を多く含むのがココナッツオイルです。

 

飽和脂肪酸なので酸化しにくく、加熱しても大丈夫。炒め物にもいいですがコーヒーに入れるのもおすすめ。甘い香りがついて、フレーバーコーヒーのようにおいしくいただけます。

 

Ⅱ.不飽和脂肪酸のオススメはオメガ3の「えごまオイル」

「②不飽和脂肪酸」は炭素同士が2重で結合する(最初の)位置により大別され、3つ目の炭素に二重結合がある「オメガー3系(ω-3)」、6つ目の「オメガー6系(ω-6)」、9つ目の「オメガー9系(ω-9)」にわけられます。(厳密には他にもあります)

 

 

一般的に使われるサラダ油はリノール酸と呼ばれる「ωー6」の脂肪酸が多いです。

「ωー6」は必須脂肪酸という体内で作れないものなので食事で摂る必要があるのですが、体が必要とする量は少しです。

 

一方、家庭で多く使うのがサラダ油なので結果的に「ωー6が過剰」になっていて、これがアレルギーの悪化を招く一因と言われています。

 

そのため「ωー6」を減らし、「ωー3」か「ωー9」を意識してとるといいです。

 

「ωー9」の代表はオレイン酸。オリーブオイルの他、菜種油の改良品種などにも多く含まれています。動脈硬化の予防や悪玉コレステロールを減らすと言われるとてもいい脂肪酸ですが、体内で作り出すことができます。

 

そこでおすすめは必須脂肪酸であり多くの方が不足している「ω-3」。

「ω-3」の代表は、まぐろの目玉などに多く含まれると言われるDHA・EPAや、えごまや亜麻仁の植物に含まれるαリノレン酸です。

 

「ω-3」はアレルギーを抑えたり血栓予防、脳を元気にする(脳細胞の構成成分)など優れた働きがあります。

 

ただ熱に弱いため、加熱して使う油には向いていません。多く含むまぐろの目玉も生で食べるのはちょっと微妙ですよね(;^_^A

 

そこでおすすめは「えごまオイル」です。サラダにかけたり、飲み物や味噌汁に入れたり(※)して摂取できます。

 

油を食べるのが抵抗があるとか面倒という方は、えごまオイル入りのドレッシングやマヨネーズがいいです。おいしく食べるだけで自然に摂取することができるのでおすすめです。

 

※味噌汁は鍋ではなく、お椀に入れる程度の熱であれば大丈夫です。(加熱はNGです)

 

【まとめ】おすすめオイルを意識しましょう

1日に必要な脂質量は、肉・魚・牛乳などの食べ物と、調理時に使うサラダ油から摂れていますが、動物性は長鎖脂肪酸、植物性はω-6系に偏っています。

 

肉や魚などはたんぱく質を摂る上でも大切ですので、調理に使う油を意識して変えることをおすすめします。

 

ただ必須脂肪酸であるえごまオイルは加熱に弱いためドレッシングなどが有効です。

 

そこで加熱調理の際には比較的「熱に強いオレイン酸」を含むオリーブオイルや品種改良した菜種油などを使うのがおすすめです。

 

アレルギーがひどい方はもちろん、どんな方でもバランスよく脂質を摂取することは健康上とっても有効ですのでぜひ意識してみてください。

 

 





代表者:刑部亮
1977年浜松市生まれ。2児のパパ。生まれた時から自然食品で育てられ、今は子供に食育中。趣味は山登・キャンプ・お酒・ダイビング(ブランク中)
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