スペルミジンっていう物質を聞いたことあるでしょうか?先日とある週刊誌で「寿命を25%も伸ばし、認知症にもなりにく奇跡の腸内物質」と取り上げられ話題になっています。学術誌に掲載され、世界も注目するスペルミジンとそれを増やす方法についてご紹介します。
まず最初にスペルミジンとは何かというところからご紹介します。
スペルミジンとはポリアミンと呼ばれる物質の1つです。
ポリアミンは納豆などに多く含まれる物質で
・細胞分裂を助け細胞を正常に保つなど細胞の生まれ変わりに不可欠な成分
・血管内の炎症を抑え、動脈硬化を予防
する成分として知られています。
このポリアミンという物質は100年ぐらい前からその存在を知られていました。
さらに、体内で作ることもできますし、納豆など身近な食べ物から摂取できる成分にも関わらず、最近になってその中の1つの成分である「スペルミジン」に注目が集まるようになりました。
では学術誌で発表されたスペルミジンの驚くべき実験結果とはどのようなものでしょうか?
アメリカの学術誌「キャンサーリサーチ」に掲載されたのは、実験用のマウスにスペルミジンを投与したところ、寿命が25%伸びたというものです。
人間の平均寿命が80歳だとすると100歳まで伸びるということです。まだマウスの段階ですが人間にも効果がある可能性が高いと期待されています。
これまでの長寿研究では老化物質の増加を抑える働きで知られる「SIRT1(サートワン/サーチュイン)」遺伝子が長寿の本命とされていました。
この長寿遺伝子は飢餓状態で活性化されるため、アメリカ国立研究所では老化防止のために摂取カロリーを抑えることが重要と発表していますが、今回のスペルミジンもそれに匹敵する要素となる可能性を秘めているそうです。
しかし、スペルミジンの働きはそれだけで終わりません。
他にも嬉しい働きが期待されています。
「長生きはしたいけど健康であることが前提」と考える方は多いと思います。
長生きした時の3大リスクは「病気(健康)」、「貧困(お金)」、「孤独」と言われていますが、大きな病気・慢性的な病気はお金も必要ですので最も気を付けないといけません。
理想的な「健康長寿」を目指すにあたり、大きなリスクとなるのが「認知症」と「がん」です。
認知症は本人はおろか家族など周りの人に長期間にわたり大きな負担がのしかかりますし、がんも体とお金の負担は相当です。
しかしスペルミジンは「寿命を延ばし」ながら、その「認知症」や「がん」も予防できるという可能性を秘めていると言われています。
なぜスペルミジンはこのようなすごい効果が期待できるのでしょうか?
長寿遺伝子で知られるSIRT1は老化物質の生成を抑えることで長寿に働きかけると前述しました。
ではスペルミジンはどのように長寿へ導いているのでしょうか?
その1つ目のカギは「オートファジー」です。
オートファジーとは「自食」とも呼ばれ、古くなった細胞のたんぱく質を分解・再利用する働きをいいます。細胞内の老化したたんぱく質や病原菌なども除去してくれるとても大切な働きです。
しかし、このオートファジーは加齢により徐々に弱まってしまいます。
すると細胞内に「ごみ」が溜まり、細胞自体の寿命が短くなり、ひいては人間の寿命にも影響するのです。
スペルミジンはこのオートファジーを活性化する効果があり、これによりマウスの寿命が延びたと考えられています。
さらにオートファジーの働きはそれだけではありません。
寿命に加え、先述の認知症やがん予防に期待ができるのです。
①オートファジーで認知症予防
パーキンソン病などの神経疾病の一部はこのオートファジーがうまく働かず、異常なたんぱく質が脳に蓄積してしまうことが原因と動物実験で分かっています。
脳の神経細胞をオートファジーによってきれいに保つことで、「認知症」予防にも効果があると考えられています。
②オートファジーでがん予防
がんはよく細胞のコピーミスと言われます。細胞分裂する際に異常な細胞が生まれることからがんになっていきます。
古くなった細胞の中に老化したゴミが増え損傷した細胞はコピーミスが起こる可能性が高くなると仮定し、オートファジーを活性化させればがんを防げるはずと考え実験したところ、実際にがんの可能性も低くなることができたそうです。
しかし、スペルミジンにはさらに嬉しい効果がありました。
健康長寿のもう一つのカギは「血管」です。
健康な体を維持するには新鮮な酸素や豊富な栄養が全身にいきわたることが不可欠で、それにはしなやかな血管が欠かせません。
しかし、老化は血管から始まるともいわれるように、年齢を重ねると血管のしなやかさが失われることが一般的です。
その原因と言われるのが動脈硬化です。
動脈硬化は血管の内部にできた傷に白血球がくっついて炎症を起こし、血管が硬くなったり狭くなったりする現象で、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞の原因につながっています。
特に高齢になると血管内部の炎症が慢性化しやすく、動脈硬化になりやすくなるのです。
スペルミジンを含むポリアミンは血管の炎症を抑えてくれため、動脈硬化の予防に効果的と言えるのです。
それはつまり、心筋梗塞などの心疾患、脳いっ血などの脳疾患の予防にいいということです。
日本人の死因の約6割を占めるのが「がん」、「心疾患」、「脳疾患」ですので、それらを全て予防できるのはとてもすごいことだと思います。
では最後にそんなすごい可能性に秘めたスペルミジンを増やすにはどうしたらいいかをご紹介します。
スペルミジンを増やすには、ずばり「納豆」が一番です
スペルミジンはヨーグルト、味噌、醤油など発酵食品に多く含まれていますが、納豆には味噌、醤油の約5倍も含まれているそうです。
とくにおすすめは「ひきわり納豆」
発酵する表面積が広いため、普通の納豆より約20%程度多く含まれているとされています。
納豆はその他にたんぱく質、ビタミン、ミネラル、ナットウキナーゼや食物繊維なども豊富ですのでぜひ毎日摂りましょう。
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新谷宏幸 (水曜日, 11 10月 2017 11:00)
日本の研究機関の長寿の伸び率とアメリカのものに5%の開きがありますが、その理由がわかればお教えください。両機関の実験の精査は行われているのでしょうか?
近く本をまとめるのでもし、わかればお願いします。
reuterjapannews@gmail.com
NGO JAPAN CYBER LIBRARY ジャーナリスト 新谷宏幸
刑部 (水曜日, 11 10月 2017 11:47)
新谷様
コメントありがとうございます。
日本とアメリカの長寿の伸び率の違いの理由は当方ではわかりかねます。
ご期待に沿えず申し訳ございません。